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インスタントシニア体験

昨日の6月5日,6年生のみなみの時間は,今週も体験学習。インスタントシニア体験といって,高齢者が日常的に直面している困難を人為的に作り出して体験する学習のことです。鉾田市社会福祉協議会の方々の協力を得て,貴重な体験をさせていただきました。

重りなどの装着中。もう疲れました。

← こちらが完成図

 

高齢者の苦労を体験するために装着しているのが,両足首の重り(相当な重さ),ひざの動きを鈍くするサポーター(じく足側),手首の重り(きき手側),両ひじのサポーター,それから視野を狭めるゴーグル,極端に聴覚がさえぎられる耳せん,細かな手作業がしにくくなり,ものに触った感覚を鈍らすためのゴム手袋,しかも両手とも小指と薬指,中指と人差し指をテープでくっつけて作業をさらにやりにくくする念の入れよう。すべてを装着するのに20分くらいかかりました。多くの人がこの時点でもう疲れています。さぁ,つえを頼りに校内を探検します。

こちらはパソコン室。パソコンで自分の名前を入力します。視界が悪く作業がはかどりません。おまけに,ゴム手袋とテープで指をあわせてはり付けているせいで,作業がやりにくくて仕方ありません。高齢者は,手指の関節などにも不自由があり,そういう思いをしながら日常から手作業をしているということです。

廊下を移動中。

まわりが見えにくいので,人にぶつかったりしやすいようです。壁などを触りながら,安全に気をつけて慎重に歩いている様子です。

階段や段差にも注意が必要で,転んで怪我をしないように慎重に移動しています。

流しで水にさわってみても,なぜかいつもの感覚は違います。ゴム手袋をしていますからね。高齢者はそのくらい感覚が鈍っているのだそうです。2階の部屋から窓の外の景色を眺めてみても,いつものように視界はよくありません。

6年教室の黒板には質問が書いてあります。「のび太くんが好きな女の子はだれですか」 でも,その質問が見えないようです。かろうじて見えた子も,紙に答えを書こうとすると,視界も悪いし手も動かしにくいし,質問に答えるのに一苦労です。

体育館ではバスケットボールをドリブルしたりシュートしたり。マットに寝転がってから起きあがったりしています。やはり,いつもと比べると大変な苦労があるようで,どれもなかなかうまくいきません。

体験を一通り終えた人は,ワークシートにまとめをしています。T.Nさんはどうやら疲れたようで,現在放心状態です。「疲れた人~」って聞いてみたら,ほとんどの人が手を挙げていました。たくさんの重りを身につけて体力的にも厳しいし.見えない中移動したために,安全に気をつけるあまりにずっと気を張っていたので,精神的な疲れも感じたそうです。わずか30分程度の体験でこうなのですから,毎日この状態で5年,10年,20年と長い時間を過ごしている高齢者の苦労ははかりしれません。

今日の貴重な体験を経て,福祉の学習がまた少し深まったことを感じました。

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