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「ミシシッピアカミミガメ」のはなし。

学校の池にいるかめ君の種類は、「ミシシッピアカミミガメ」です。このかめ君は名前からわかると思いますが、耳のところが赤いのが特徴です。写真ではわかりにくいかもしれません。また、これも名前からわかるように、このかめの種類はアメリカから入ってきたものです。と言っても、海を泳いできたわけではありません。(←そんなことは分かっていますね(>_<))

実は、このミシシッピアカミミガメは、世界中で「要注意外来生物」、「侵略的外来種」(ワースト100)に指定されています。「要注意」とか、「侵略的」とか、なんだかすごく悪そうですね。なぜ、そんなに「悪い生物」になっているのでしょう。日本との関係で言えば、

① もともと日本にいる生物に悪い影響をあたえてしまうことです。かめで言えば、日本には「ニホンイシガメ」というかめが昔からいるのですが、そういう在来種をどんどん押しのけて、このミシシッピアカミミガメはどんどん増えてしまっているのです。

② このミシシッピアカミミガメは雑食なので、何でも食べます。藻類から水草、水生昆虫、ザリガニ、エビ、魚など、なんでも食べてしまうのです。徳島県では特産のレンコンの田んぼにまで拡がり、農業被害が深刻になっているほどです。蓮池などに拡がると、美しい蓮が見られなくなるという被害も出ています。どうやって駆除していくかと、頭を悩ませているのが実態なのです。ですから、学校の池でもホテイアオイを柵でかこっているわけです。

では、どうしてこんなに外来者が拡がったのでしょう。

一気に拡大したのは、1990年代ごろに「ミドリガメ」として、祭りの出店や、駄菓子屋の店先でも比較的安く売られていたからです。「ミドリガメ」は、体長4~5cmのかわいい子がめです。

こんなカメです。ちなみに、この「ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメの子)」は、私(校長)が済んでいる水戸市の大塚池で今年の春に生まれたものです。この写真は6月ごろ、散歩をしている途中で撮影しました。大塚池もミシシッピアカミミガメだらけになっています。

つまり、「かわいい!」と「ミドリガメ」を飼い始めたものの、生長して大きくなってから、川や沼に捨てられたカメからどんどん拡がっていったと考えられています。無責任な飼い主が、このミシシッピアカミミガメをひろげ、今では「要注意」「侵略的」という生物になっているわけです。

ですから、今では「ミドリガメ」を気軽に売り買いすることはできません。販売している専門店では必ず、「飼う責任」を指導しています。

これが、ミシシッピアカミミガメです。 とは言っても、旭南小学校のかめ君自身は「悪くない」ので、みんなでやさしく接したいと思います。葉っぱなどのエサを持って行くと近づいてきますので、かわいがってくださいね。(^_^)