6年生のA.Sさんの「100マス作文」校長賞です。「ノート」というとても日常的なところに目をつけて題材にしています。
「 『ノート』
ノートを新しくしてそこに字を書く。するとなぜか,ドキドキする。「全部のページをきれいな字で書こう。」と思う。でも,一ページが終わって,二ページになると「もういいや。」と思って少しきたない字になる。一ページくらいは楽しみできれいな字を書くけど,二ページからは,あきらめちゃう。私は,全部のページをきれいに書きたいと思った。
<五七五> きれいな字 とてもうれしい ノートさん 」
<校長コメント>
この新しいノートの使い始めの「ドキドキ」感,あるいは「わくわく」感というのは,かなり多くの人が体験していることでしょう。ノートでなくても,「新しいもの」を初めて使う時の喜びは,「たいせつに,ていねいに使おう」という決意とともにあるはずです。
A.Sさんが「全部のページをきれいな字で書こう。」とノートを開く気持ちがよく伝わってきます。ところが,なぜか2ページになると,「きれいな字で書こう。」という気持ちが続きません。「もういいや」と少しあきらめの気持ちになります。きっと,この感覚も多くの人がもつものなのです。僕もその感覚が解ります。
でも,ノートをていねいに書く,という気持ちが続かないのはどうしてなのでしょう。その一つの理由は,1ページ目は「よそ行きの字」で書いているからです。言うなら無理をして着飾っている感覚です。慣れない晴れ着や正装をしていると,とても窮屈ですから,家に帰った瞬間に「もうだめ。着替える!」と普段着になってしまうのです。それが,2ページ目ですね。(^o^)丿。
もう一つの理由は,「よそ行きの字」では授業のノートを書いたり,宿題を早く終わらせたりするのに,とても間に合わないからでしょう。晴れ着や正装では運動をしたり,おやつを食べたりするのも大変だからです。だから,「もういいや」といつもの普段着,いや「ふだんの字」に戻ってしまうのです。「あきらめちゃう。」という表現がすごくぴったりしていますね。
五七五ではノートの気持ちになって,「とてもうれしい」と表現しています。確かに,使われるノートだって,ていねいに,きれいに使われたらうれしいでしょうからね。(*^。^*)
とても日常的な「新しいノート」を使う題材を,正直な感覚で書いた作品です。
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