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100マス作文:校長先生賞「へんしん」

6年生,A.Sさんの作品,『へんしん』です。季節感が伝わる作品,紹介しましょう。

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「 『へんしん』

 きょうの朝,くっつき虫を見たら,変化していました。くっつき虫は,みどりいろだったのに,黒くてのびていました。それをくっつけると,とてもはがしにくく,くつしたにくっつくと大変です。でも,それを見て,「冬だなー」と思います。夏よりとても日が短いので,さびしいと思いました。

五七五 「なつの日が へんしんしてね ふゆの日に   」

<校長コメント>

まだ,平地では紅葉の時期にはなりませんが,標高1000m付近まで紅葉がが下りてきています。11月に入ると,平地でも木々や草の葉の色も変化して,秋から冬を感じる季節となります。

さて,A.Sさんの作品。季節の移り変わりについて,とてもいいところに目が向いています。確かに,夏ごろには「緑色」だった「くっつき虫」も,いまの時期には「黒くのびて」います。

実は「くっつき虫」と呼ばれるのは,「くっつく草の実」の総称で,いろいろあるのです。そこで,A.Sさんに確認したら,そのくっつき虫はこれでした。

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確かに「黒くて」「のびて」(ひろがって)います。もう一枚のものを見れば,ひろがる前のものも分りますね。広がっていなくても,先の実を取って投げつけると,Tシャツなどにくっつき,友だちが「ぎゃあ! 痛い!」と声を上げるものです。仕返しをされて,投げ合いになります。そうやって,下校するときに遊んだりするのが,子どもたちの風景です。(‘◇’)ゞ その「くっつき虫」も,今の時期になると「のびて」(ひろがって),一本一本がくっつくようになります。A.Sさんの作文では「とてもはがしにくく,くつしたにくっつくと大変です」とあります。一本一本の先の部分が「やり(↑)」が何段も付いたようになっていて,確実にひっかかってしまうからです。もちろん,なぜくっつくのかと言えば,動物などの毛に付いて運んでもらい,別の場所に子孫を残そうという「作戦」があるからですね。この「くっつき虫」は,「コセンダングサ」です。

他に,こんな「くっつき虫」もあります。

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左が「オナモミ」。もっとも有名なくっつき虫ですね。投げ合うのにちょうどいいサイズですから。子どもは自分の身体にいっぱいつけて「もよう」や「字」を描いたりもします。右は,「ヌスビトハギ」。豆のさやのような部分全体がマジックテープのようになっているものです。

A.Sさんの作文ですが,そんな「コセンダングサ」の季節の変化を見て,「冬だなー」と感じています。そして,日が短くなることに合わせて,「さびしい」と季節の変化を見ています。

タイトルが「へんしん」なのに,本文には「へんしん」の表現はありません。タイトルで読む者の興味を引いています。内容は,緑色から黒へ「へんしん」するくっつき虫のことですが,実は五七五にあるように「季節のへんしん」がポイントです。さすが,6年生ですね。

ちなみに,「くっつき虫」といいますが,全国的には「ひっつき虫」と呼ぶ地域の方が多いようです。全国どこでも,子ども達は投げ合って遊んでいるのです。そんな「オナモミ」も,実は絶滅危惧種といいますから,「雑草か!」とむやみに処分してしまうのは控えなければなりませんね。

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