本年度の校長賞の第1号です。6年生のI.Nさん。タイトルは「一年生」です。紹介しましょう。
「 『一年生』
今日,一年生にランドセルのかたづけ方を教えてあげた。一年生は初めてにしてはなかなか上手だった。ぼくも負けじといっしょうけんめいがんばった。みんなが上手にできることがとてもまちどおしい。一年生が一日でも早く自分でかたづけができるようになって,困っている友達に教えてあげられる人になってほしい。
五七五 「一年生 ランドセルの おかたづけ」 」
<校長コメント>
入学式の次の朝から,6年生が1年生の教室にボランティアに行きました。そのようすはこのブログでも紹介したとおりです。傘の置き方から,ランドセルからの教科書や文具類の出し方,,ランドセルのしまい方まで,1年生が自分でできるようにとやさしく教えてあげていました。そのようすの作文です。
作文全体から「やさしさ」があふれてきています。「初めてにしてはなかなか上手だった。」というのは,見守っているからこそ表現できることですね。「負けじとがんばった。」というのが,なんだかおもしろい表現になっていて,ほほえましい感じです。
そして,「みんなが上手にできることがとてもまちどおしい」という6年生としての気持ち。すばらしいですね。しかも,そんな1年生の姿を見ながら「困っている友達に教えてあげられる人になってほしい。」と,心から願っている姿が目に浮かびます。
6年生のおてつだいボランティアも,1年生が自分でできるようになると終わります。でも,こうして最高学年の6年生が面倒を見てくれたというのは,1年生にとって心のどこかに残るものでしょう。人と人との心の通い合いが,きっと生まれているのだと思います。(‘◇’)ゞ
とてもとても心が温かくなる作文ですね。うっかり泣かされるところでした(笑)そして私たち大人もハッとさせられる内容だと思います。年長者がそっと見守り、時に支え、そして成長を願う。素晴らしいです。きっと寄り添ってもらった1年生は自分が見守る立場になった時、優しく寄り添える人になってくれているのではないかと感じます。素敵な文章をありがとうと心から言いたいです。
まったくおっしゃる通りです。こういう「かかわり」「つながり」を通して,年長者は下の者へ「やってあげる」ことではない,見守りのやさしさを学び,年少者は年上の者が見守ってアドバイスをくれることへのありがたさを感じていくのでしょう。ぼくたちは,何かに行き詰ったときや悲しいとき,さみしいときなど,「優しく寄り添える人」が近くにいることって,とても安心するものです。そんな大人になりたいし,子供たちにはそんな人に成長してほしいと願っています。さまざまな人とのかかわりとそこでの感動の経験などが,そういう気持ちを育てるのでしょう。学校って,勉強だけでなく,そういうところを育てることが実はとても大切な場所なんですよね。と,僕は思っています。はい!(‘◇’)ゞ (校長)